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003 木造建築の傑作 国宝の城

中高年や歴女と呼ばれる人々の間で、今、城めぐりが密かなブームになっているようです。国内各地には数多くの城が残っていますが、そのほとんどが復元されたもので、天守閣が昔のまま現存している城は、わずか12の城しかないということをご存知でしょうか?。

その中で特に重要なものが文化財保護法により「国宝」に認定されています。国宝の城は姫路城(兵庫県姫路市)、彦根城(滋賀県彦根市)、犬山城(愛知県犬山市)、松本城(長野県松本市)のわずか4つしかありません。ちなみに、大阪城や名古屋城、熊本城なども国宝と思っている方が多いと思いますが、これらは復元によるもので、外観は往年の姿であっても、骨組みは鉄鋼やコンクリート、材料は近代のものが使われています。

   
姫路城(兵庫県姫路市)   彦根城(滋賀県彦根市)   犬山城(愛知県犬山市)   松本城(長野県松本市)

2005年に私たちはBS-TBS(当時はBS-i)のシリーズ企画でこれらの城のドキュメンタリーを制作しました。それぞれの城の立地や歴史背景、エピソードや秘宝、今も残る風習などを1時間にまとめたドキュメンタリー番組です。

防衛上の工夫など様々な発見と驚きがあった撮影でしたが、私が特に感激したのが木造建築としての技術の高さです。クレーンなどの建築用重機も電動工具もない時代に、巨大な木材を人力だけで作られた。しかも、釘や金具は使わずに、ホゾといって接合部を抜けにくいようにはめ込む方法で築城したのです。それにより数百年にわたり地震や台風に耐え抜き、通気性を考慮した構造設計で木材も腐らない。彦根城は天主だけでなく櫓や門など7棟が現存し、国宝や重要文化財に指定されていますが、これらは大津城などを解体した古い木材を使っていて、それも今に残っているのですから驚きます。
ちなみに彦根城の天主が小ぶりなのは、材料を再加工する際に不都合な部分を切り落さざるを得ずに、小さくしたという説もあります。

この企画で私が特に興味を持ったのが犬山城です。1537年に織田信康が築城したといわれ、現存する日本最古の城とも言われています。現在の形は代々の城主が増改築をした結果なのですが、その構造が変わっています。外観は左のように3層ですが、内部は6階(1と2をひとつとして5層とする見方もある)になっています。唯一の入り口が石垣の中にあり、戦国時代の名残で様々な防衛設備を有しています。

天守が現存している12の城

姫路城(兵庫県姫路市) 国宝
彦根城(滋賀県彦根市) 国宝
犬山城(愛知県犬山市) 国宝
松本城(長野県松本市) 国宝

弘前城(青森県弘前市) 重要文化財
丸岡城(福井県坂井市) 重要文化財
備中松山城(岡山県高梁市) 重要文化財
松江城(島根県松江市) 重要文化財
丸亀城(香川県丸亀市) 重要文化財
松山城(愛媛県松山市) 重要文化財
宇和島城(愛媛県宇和島市) 重要文化財
高知城(高知県高知市) 重要文化財




彦根城付櫓の天井 曲がった木をそのまま
の形で組み上げている

また犬山城は最近(2004年)まで、唯一個人所有の城でした。これにも色々なエピソードがあるのですが、それはまた次の機会に・・・。


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